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放置希望。

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1・うしろめたい
注意・・・カカサスともゲンサスとも言い切れません。サスケさんが悪い子。







 ***



台所から響く水音と
窓の外から微かに聞こえてくる近所の子供の笑い声。
夕暮れ時になって下界はどんどんにぎやかになってくる。
子供らを迎えにきたのであろう、ひときわ高く響く女の声が追ってくると遠くから微かに豆腐屋の笛の音が鳴り響いた。





(…豆腐か)




ぼんやりと脳裏の情景に色を足しながら何処を見つめるわけでもない目を部屋の其処彼処に移していく。
何処をとっても見慣れたその中にはこれといった目新しさはなかった。







「―――おい、」


「…」


「夕飯だ夕飯。返事くらいしろ」





耳に馴染みきった声にのろりと振り返るとただでさえでかい体が屈んだオレを見下ろすように立っていた。
その先、無言で差し出された大きな皿に手を伸ばして配膳の準備に取り掛かる。
ゲンマは独り言をぶつぶつと口の中で籠もらせながらまた流し台の方へと向かった。
何を言ったのか、興味がわかない。
だってきっとそれはオレがわざわざ聞かなくても消費していく世界の中での言葉だから。

夕食の準備が整うとオレの斜め前には疲れた大人が席を取った。
ふう、と無意識に吐かれる溜息にオレは目だけを流す。
「お疲れ様」とか、言ってやればいいのだろうか。今更そんな言葉も出やしない。
ゲンマはつけっぱなしだったテレビを見ながら食事を始めた。
「見てたのか?」と聞かれて首を横に振る。
言われて初めて目を向けた其処には何週進んでいるのかもわからない一度も見た事の無いドラマが始まろうとしていた。





「ああ、そういえばお前どうする?」


「…何が」


「今週末の土日。オレ居ないって言っただろ」








『オレんち来れば?』







突然混ぜ込まれた記憶の中から浮かび上がったあの男の声にオレはかっと顔を赤らめてしまった。
気拙くなってこころもち顔を伏せるがゲンマはオレの方など見もしないでテレビのチャンネルを入れ替えている。






「別に此処に居てもいいし、たまには帰ってもいいし」


「…じゃあ、帰る」


「ふーん」


「……たまには部屋に風、入れねえとだから」





そう答えたオレの声は不自然ではなかっただろうか。苦しい言い訳に聞こえなかっただろうか。
騒がしい心臓の音が邪魔で、どんな声が出ていたのかもわからない。
途絶えてしまった会話が怖くなって目を上げるとゲンマは相変わらずテレビを見ていた。
オレはそっと息を吐き、気付かれないように其方を向いて
…いや、テレビを見ている風を装ってその向こうに掛けられたカレンダーを見つめる。
今日が木曜日。
明日は金曜。

その翌日の早朝から、ゲンマは任務で家を空ける。





あの男が悪いんだ。
オレをそそのかすから。
あの男が悪いんだ。
オレがゲンマと付き合ってるの知ってるくせに、あんなキスなんてするから。


ここ数日、何度も蘇るのは先週の劇的な記憶だった。
いつもの任務の後に報告書の手伝いを名目に呼び出されて。
誰も居ない、図書室の一角で、カカシと。








『黙ってれば わかんないよ』







今だって、思い出しただけでカカシに触れられた箇所が熱を持つ。
胸。
首筋。
うなじ。
太腿の付け根。


オレは食事も喉を通らなくなって黙ったまま俯いてしまった。
おかしな事をしたら気付かれてしまうと思うのに。
ゲンマはそんなオレのもやもやした葛藤なんて爪の先程もわからないような顔をして笑いながらテレビなんて見てる。
オレは無理矢理口の中の飯を飲み込んで、逸る心臓を押さえ込みながら同じ画面を目で追った。






一番悪いのはアンタだ、ゲンマ。











 ***






―――というゲンカカサスはやっぱりダメでしょうかね(サスケさんごめん)

ずっとこんな話が読みたいなーと思ってたり思ってたりそして思ってたり(どんだけ読みたいねん)
ただサスケさんがね。
こんな子じゃないよねサスケさん。
あの子一途だから。
好きになったら一本だから←何が

で、誰が一番悪いのか。
誰が悪いと思います?この状況。








さて、寝台車揺らしてきます!!わくわく!!
もうちょっとかかりそう!楽しすぎて進まない!(盛り込みすぎて)
そしたらなんだかそろそろ次のキリ番見えてきましたね。
もし気付いたら、もしミツギと絡んでみよっかなーと思ったらご連絡ください。
待ってまーす。



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