放置希望。
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さすたん
というには余りにもサスケさんが不憫な話。
続きに。
なんとシカマルが主人公というカカサスです。
続きに。
なんとシカマルが主人公というカカサスです。
オレだって
あんなめんどくせえ瞬間に立ち会いたくなんかなかったさ。
知らずに済むもんだったら、一生それでよかったのに。
『―――アンタが好きだ』
夕暮れ時の、人気の無い演習場の丘の上から
遠く、かすかな 耳慣れたあの声が
風に乗ってオレの耳に届いてきたのは偶然というよりは単なる不運だった。
その声の主は別段これといって特に親しいという程近くはなく
かといってこのまま無かった事にするには知りすぎている仲の男だった。
(…マジかよ)
咄嗟に思わず消した気配。
あいつら相手じゃもうとうにばれてるかもしれないってのに、その軽はずみな自分の行為に後悔する。
一度見なかった事にしといて、気付かなかったふりをしといて
それで済むなら万々歳だったけれど。
中途半端に痕跡を残したオレは、その場を立ち去った事で逆に追い込まれる事になってしまった。
■ ■ ■
「―――だから、誰にも言わねえっつの」
「…」
「お前も大概疑い深いヤツだな…」
あの時の見えない声の主―――サスケは、その日の夜からいきなりオレに近づいてきた。
一等最初にオレの部屋を尋ねて来た時にはもう、それはそれはらしくねえ顔色で。
(こんなに顔色変えるヤツだったなんて知らなかった)
口を開けば「聞いてたんだろ」の一点張り。
オレはしらばっくれるのも取り繕うのも疲れて一言、「忘れた」と答えた。
サスケとオレの距離はその日から目に見えて近くなった。
講習を受ける時も、飯を食う時間も、此方の動きを伺うように常に目の届く位置にヤツは居た。
いつもオレの傍に居るあの鈍いチョウジさえ疑う程それは違和感たっぷりで、
オレは何でこいつわざわざ自分から回りに疑われるような行動取るんだろうかと頭を疑った。
そうか。優等生でお利口なのは紙の上だけって事か。
ところが一月も経った頃にはそんなサスケの行動も幾分緩和し始め
オレはうざったい拘束の目から逃れた事に素直に気を緩めていた。
とんだとばっちりだったと凝った右肩を解しながらサスケの監視のない帰途を辿る。
と、其処には甲高い女の声を受けて談笑している長身の男の影があった。
アカデミーの入り口付近、人通りもまだ多いその場所にその男は居た。
布に覆われた口元は見えなくてもほころんでいるとわかる。
若い女との立ち話に夢中で、オレの視線に振り向く事もない後姿はこの里で知らぬものなど居る筈もない有名な銀髪の持ち主だ。
どんな話の最中なのか、時折女に腕を叩かれ、笑われてはまた肩をすくめる。
その、一見ありふれた普通の男女の光景に
オレはほんの少し怒りを覚えて歩む地面を強く蹴った。
オレは知っていた。
サスケの想い人であるあの男―――はたけカカシは、女にだらしないと噂の酷い男だという事を。
どれも人伝に聞いた話ばかりで実際本人に確かめた訳ではないが、目に付くあの男の周辺にはいつも違う女が立っているので否定のしようがない。
そして、サスケがそんな彼を目で追う姿も以前から知っていた。
皆の目線を潜るように、僅かな時間で
あの男の背中や、振り上げた二の腕、遠くを見つめる横顔など、本人にさえ知られないように盗み見ている事。
勉強が出来て、実家が名家で、全てにおいて長けていて、誰の目にも完璧なあのサスケがだ。
(世の中、釈然としねえ事ってのはあるもんだな…)
自室に戻ると、ふとぼんやりとサスケの事ばかり考えている自分に気付いた。
気に食わねえ。
何が、とは言わねえけど、なんとなくだ。
めんどくせえ事にオレは知ってしまっているから。
残念な事に、サスケがあのまるっきり気のない最低男に本気だって事を。
それも、オレだけが知ってしまっているから。
どうも、その恋には勝算が無いっていう事を。
(何とかしてやりてえけど…めんどくせえし)
窓の外は星空だ。
夏の星座は七夕だの天の川だのでやたらと有名だが、実際のところはきんと空気の澄んだ冬の夜空に比べると大した事はない。
あの天の川の対岸には
一年に一度しか対面できないって噂のカップルが古の時空(とき)から住んでいる。
一年に一度だけの逢瀬を心待ちに、相手をひたすら思い続けて何日も何日もだ。
「……くっそ!!!なんでオレが!!!」
そう、不意に口から出た声はたった一人の不義理を責めていた。
天の川の下、ロマンチックなイベントが繰り広げられるっていうこの季節にこんな他人の色恋でヤキモキさせられるオレの気持ちにもなってくれ。
■ ■ ■
微妙に長くなってしまったので『続く』
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